放射線腫瘍学総論

1. 放射線腫瘍学総論

A.
放射線治療の特色と基本構造  

a.
形態温存、機能温存  

b.
技術的進歩  

c.
根治治療、緩和治療

d. 放射線腫瘍医、診療放射線技師、医学物理士、看護師、放射線治療品質管理士

 

B.
放射線治療施設の基準構造  

a.
治療装置  

b.
スタッフ

 

C.
放射線治療品質管理のあり方  

a.
医学物理学的品質管理  

b.
ヒューマンエラー  

c.
インシデント、ニアミス、オカレンス

 

D.
放射線治療の有害事象

a. 早期有害事象  

b. 晩期有害事象

急性期反応と晩期性障害
2017 582015 522013 672012 67

 

急性反応(23週間程度で発生)

晩発障害(数ヶ月~数年で発生)

全身障害

放射性宿酔

発がん、成長阻害、急性白血病

消化器系障害

口内炎、腸炎、下痢

唾液分泌障害、潰瘍、直腸出血、穿孔

皮膚障害

紅斑、脱毛、皮膚炎、落屑

色素沈着、萎縮、皮膚がん

目の障害

結膜炎、角膜炎

白内障、角膜潰瘍

血液障害

白血球現象

再生不良性貧血、白血病

骨障害

骨髄障害

成長阻害、骨壊死、白血病

*放射性肺炎は急性反応と晩発障害の中間程度(数週間~数ヶ月)で発症する

 その数年後に肺繊維症へ移行することもある

*晩期有害事象のメカニズム

:照射後早期に血管内皮細胞,線維芽細胞,マクロファージなどの多くの間質細胞が時間をかけて過度の細胞外基質やコラーゲンを蓄積することで,不均衡な組織構築を生じるのが原因

 

b. 耐容線量

・定位照射の耐用線量(直列臓器) (2015 572014 562013 53

 

リスク臓器

制限線量

(定位)

評価体積

非小細胞肺癌での線量制約値(通常分割)

脊髄

25Gy/4

Max

最大線量<50Gy

食道

40Gy/4

<1

平均線量34Gy

最大線量投与線量の105

35Gy/4

<10

胃・腸

36Gy/4

<10

 

30Gy/4

<100

 

気管・気管支

40Gy/4

<10

 

その他直列臓器

48Gy/4

<1

 

40Gy/4

10㏄(ホットスポット)

 

線量制約

肺・肝臓

48Gy/4x

<5cm

 

40Gy/4

<6cm

 

DVH

 V20

<15

V203035%、V570%、

MLD20Gy 

心臓

 

 

V4080%、V4560%、V6030%、Mean35Gy

腕神経叢

 

 

最大線量<66Gy

*通常分割法(1.82Gy/回、3035回)  *MLDMean lung dose平均総肺線量

 



・耐用線量2017 43 602015 57、 2014 672012 52

 

 

TD5/55年間に5%生じる)

判定基準

 

体積

1/3

2/3

3/3

大腿骨

52Gy

壊死

下顎骨

65Gy

60Gy

開口障害

肋骨

50Gy

病的骨折

皮膚

100cm3

50Gy

毛細血管拡張

 

70Gy

60Gy

55Gy

壊死、潰瘍

脳神経

60Gy

50Gy

45Gy

壊死、潰瘍

脳幹

60Gy

53Gy

50Gy

壊死、潰瘍

視神経

50Gy

失明

視交叉

50Gy

失明

脊髄

-10cm50Gy

20cm47Gy

脊髄炎、壊死

馬尾神経

60Gy

神経損傷

腕神経叢

62Gy

61Gy

60Gy

神経損傷

水晶体

10Gy

白内障

網膜

45Gy

失明

頭頚部

内耳

30Gy

急性漿液性耳炎

外耳

55Gy

慢性漿液性耳炎

耳下腺

32Gy

口内乾燥症

喉頭

79Gy

70Gy

軟骨壊死

45Gy

喉頭浮腫

胸部

45Gy

30Gy

17.5Gy

肺炎

心臓

60Gy

45Gy

40Gy

心外膜炎

食道

60Gy

58GY

55Gy

狭窄、穿孔

腹部

60Gy

55Gy

50Gy

潰瘍、穿孔

小腸

50Gy

40Gy

閉塞、穿孔、瘻孔

大腸

55Gy

45Gy

閉塞、穿孔、瘻孔、潰瘍、直腸炎

直腸

60Gy

肝臓

50Gy

35Gy

30Gy

肝不全

腎臓

50Gy

30Gy

23Gy

臨床的腎炎

膀胱

80Gy

65Gy

膀胱萎縮

 

胎児の放射線影響
2016 記述、2015 202013 12(工))

胎生期区分(期間)

影響

閾値(Gy)

着床前期(受精~8)

肺死亡

0.1

器官形成期(98)

奇形

0.1

胎児期(825)

精神発達遅滞

0.20.4

胎児期(840)

発育遅延

0.51.0

全期間

発がん・遺伝的影響

成人より高い

 

放射性宿酔 (2016 54 2015 13(工学)2014 65

前駆期:放射性宿酔や48時間以内に起こる症状、嘔吐、下痢、発熱、意識障害

潜伏期:線量増加に伴い短くなる

急性期(発症期):血液、骨髄、皮膚、消化管、神経障害、ショック

回復期慢性期:

 

放射線影響の閾値

組織・臓器名

線量(Gy)

耐容線量 TD5/5(Gy)

詳細

リンパ球

0.25

 

Bリンパ(骨由来)Tリンパ(胸腺由来)

一時不妊()

0.15

 

線量率効果なし

精原第一次精母第二次精母精細胞精子

  (高感度) (高感度)

永久不妊()

3.
5
6

515(全組織照射)

一時不妊()

0.651.5

 

永久不妊()

2.56

23(全組織照射)

水晶体混濁(一回照射)

2

 

ICRP2011reportでは

8Gy0.5Gyとなった

水晶体混濁(慢性被曝)

5

 

白内障(一回照射)

5

5

白内障(慢性被曝)

8

 

急性放射線症

18

 

 

骨髄死

35

45(一部分割照射で50

3060日、LD50/30:半致死線量

腸管死

515

 

1020日、線量率効果あり、小腸>大腸>胃>食道

中枢神経死

15以上

50

15


腫瘍の感受性 (2016 592015 26 692012 64

・高感受性

横紋筋肉腫を除く小児悪性腫瘍(神経芽細胞腫網膜芽細胞腫Wilms腫瘍Ewing肉腫)

精上皮腫セミノーマ)・未分化胚細胞腫リンパ上皮腫ホジキン病多発性骨髄腫

・比較的高感受性

(低分化)扁平上皮癌(上咽頭癌など)髄芽腫乳癌

・比較的低感受性

腺癌

・低感受性

奇形腫神経膠腫線維肉腫骨肉腫悪性黒色腫腎細胞癌など

 

c. 誘発癌

d. TCPNTCP

 

 

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